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1990年、ニュージーランド・フティヤンガにて。 |
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さて、1991年1月5日はスティママの伊藤エリ子さんの乗馬練習日である。 |
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かのこさんと御一緒したのは「平」から「上野」までの2時間。 10月の夕方、JR特急「スーパー日立」は、左側に夕暮れの海。右の山の上には、真っ赤な車両に なる。左右の車窓が、くっきり二つに別れた色あいの中を電車がつっぱしる。やがて右側と左側の色がとけあい、夕闇にのまれ、上野駅につく頃には、真っ暗闇になる。 私はこの電車が気に入っていた。 しかし、今日はその旅がつらい。恋をしてしまったからだ。妻子ある人に。 むかし、むかし、私は結婚していた。結婚している者の傲慢さで傷つけてしまったということが、 日々がたつほどに気になっていく。そして探しだして、お詫びをしたかった。 そして十五年後、再会できた時、私は独身になっていたけれど彼は妻子ある人になっていた。 大好きな風景、気に入ってる絵や映画、それらを共有出来ないつらさが苦しい。 車窓から見る夕焼けの海を、かこさとしさんが隣の席で一緒に眺めて下さらなかったら、あんなに今日の風景が心に入ることは無かっただろう。 強い日差し。 風が走り抜ける。 ポプラの大木が揺れる プラムの木が揺れて、プラムがストン、ストンと落ちる。 ニュージーランドは真夏。 いつのまにか腰痛も気にならなくなった。 |
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