「桜を描こう」ー桜の花が咲いているのか?ー
松本 一郎

 4月3日(日)に、キミコ・プラン・ドウに近い駒場公園で、「桜を描こう/スケッチしよう」のイベントを開催しました。担当の講師はボクと、杉山 操さん。

  当日は朝からいい天気ですが、4月になっても気温が上がらず、肌寒い日が続いていました。だから、桜のつぼみが赤くなっているというのに、咲いてる花はチラホラ。
 満開の桜の樹の下で、圧倒的は存在感の桜に対峙して・・・と思っていたのに、朝の時点では、桜の花は二分咲きくらい。


 集合時間の午前10時には、参加者の方がキミコ・プラン・ドウに集まってきます。丁度、当日はアートスクール・クラブルーツの作品展の最終日だったので、早めにいらして方は、作品展を見てもらいながら待っていてくれました。

 
参加者のほとんどが集まって、駒場公園に向かいます。
  公園の奥の庭には、桜の大木が円を描くように庭を囲んでいます。一本の桜の樹の根元に集まって、描いていく手順などを説明して、画用紙に描き出しました。

 
スケッチブックとペンでカットを親子で参加された方は、ベンチに座って「葉っぱのカット」からスタートです。

 
 その日は抜けるような青空で、暑くなく、寒くないという絶好のイベント日。桜の樹を描いている参加者は、太い幹の根元から生長の順に、最初は切り株のような絵が、すくすくと育つように、天に向かって伸びていきます。
 太い幹から、枝分かれして細い幹、枝へと、使う筆を替えながら、一本の枝から桜の花がついている小枝を細筆で描きます。
 いつもなら、満開の桜のだと花が邪魔して、小枝が見えないのですが、今回は、桜が咲いていないので小枝が見やすくて、とても具合がいいのです。桜があまり咲いていない所で、桜を掻こうというのは、申し訳ないと思っていたのですが、これはこれで不幸中の幸いみたいな感じです。

  小枝が描けた所で、昼食の時間です。弁当を食べながら、改めて桜を見ると、なんか朝より花が増えている様子。花が咲く瞬間に立ち会えるというのは、今まで経験がなかったので、一人で感激。


 午後、広げた小枝に、桜の花をつける頃には、六分咲きになり、まるで描いていく順に会わせて、樹が合わせてくれているようです。
 花をつけるのは、単純作業なんだけど、意外と時間がかかり、終了予定の三時には、八割位の出来。参加者の中には、駒場教室の生徒さんや、他の教室の生徒さんがいるので「次の教室の時につづきを描きましょう」と予定を立て、早めに終了。イベントのみの参加者は、公園が閉まる4時まで粘って描いていました。


 昨年は当日が雨だったのだけど、遠方から二人の参加があって、キミコ・プラン・ドウのウラにある東大宇宙研究所の中にある「桜」を題材に描き、午後から雨が降ってきたので、キミコ・プラン・ドウに避難して、続きを描いたのでした。
 それに比べて、晴天の中(桜があまり咲いていないので、人に少ない公園)で、一日桜を見つめながら過ごした時間は、とても実りある「時」でした。




  次回のイベントは「横浜山手洋館スケッチ入門」と「江戸たてもの園・スケッチ入門講座」と続きます。
 外に出て、絵を描いて楽しむ時間を、ぜひご一緒できれば嬉しいです。