エッセイ目次
 

No79
1995年11月4日発行


ひょんなことから インドで展示会を

 世界女性会議に参加して、様々な国の人々に会ってから、世界地図を広げることが多い。
 「トンガ」って、どこにあるの? と、まずトンガを調べたら、何と、今フランス核実験場になっている、ムルロア珊瑚の近く。近くといっても、私の手帳の地図上のことだが。ニュージーランドの近く、フィージーに近い。
 トンガのパビロアさんのスマイルに会ったら、絶対にトンガに行きたくなった。
 さっそく、トンガにファックスを送ったら、一週間後に返事が来た。
 「ぜひ来て下さい。JICAに相談すると助けてくれるでしょう」と書いてあった。
 今度は「JICAってなに? どこかで聞いた言葉だけど」とJICA探しが始まった。
 高崎の根岸さんは、JICAの電話番号を知らせてくれた。とにかく手がかりはできたのである。
 あとは、私の事務所の佐竹さんが、あちこち問い合わせてくれた。そして、その結果、申請書があって、そこに記入して、申請すれば許可になる可能性もある。許可とは、飛行機代を#援助してもらえる。その申請書の期限が、96年度の行事ならば、`95年12月20日となっている。
 私は12月の始めから日本にいないので、11月中に申請書を出さなければならない。
 定員は10名。「日本文化の紹介になるか?」「招待状はあるか?」「期間はいつか?」「滞在日は・」と申請書に書き込まね#ばならない。
 私の都合のいい日と、「トンガ」の都合がいい日を打ち合わせしなければならない。仲間に問いかけるとしても「何月何日発か?」が大事なポイントになる。
 そこで、さっそくトンガにファックスを送ることになった。

 なぜ、こんなに急いでいきたくなったかというと、第一回目のトンガからのファックスに
 「王女様のだんなさんは日本人です」「そろばんは、学校でだけ教わっています」「5月から10月までがよい季節です」などと、返事が来たからだ。
 中国で、様々な国の人から「ぜひ、わが国へ来て、絵を教えてほしい」と名刺を渡されても、「いつかね」と軽く考えていた。
 でも、「トンガの人から我が国へぜひ、と誘われたのよ」と、トンガを強調したのは、その人の堂々とした感じがたのもしく感じたのと、あったかくて、果物がおいしそうで、ハダカの感じで暮らせそう。つまり、私がすぐにでも行きたい国だったからだ。
 そして、今年のアートスクール生に、私の大学時代からの親友が来ている。その彼女が、
 「トンガはいい国よ。トンガのお姫様のだんなさんになった人は、同じ村出身の小山さんていう人なのよ。」「トンガはそろばんをやっていて親日国よ。キミ子方式もそろばんのように、トンガで採用されるといいね」と言った。
 その偶然に、あまりにも話が合いすぎて、本当かどうか試してみたくて、私はファックスをすぐに送ったのだった。
 学生時代の親友とは、彼女の村の話は聞いたことはなかった。「あなたが、奈良女子大生ってことしか知らなかった。奈良の人じゃなかったの?」と私。
 私の過去の最も痛々しい時期に出会った友。冬の凍りつく奈良の町で、死ぬことばかり考えてさまよう私が、彼女が差しのばしてくれた親切で、生き返れたようなものだ。
 「私達はいつも、過去の話なんかしなかったものね。いつも会ったら未来の話ばかり、今もそう」と笑いあった。

 私と、英語ができる川合京子以外8名を、どうやって募集しよう。
 今までのスケッチ旅行とちがって、今度は絵を教えるために行く。
 絶対の条件は、英語かトンガ語が出来て、キミ子方式を教えられる人。10日間くらいを予定しているので、10日間、日本をあけられる人。外国語ができても、キミ子方式を教えられても、不特定多数の人を相手にするわけだから、何よりも人間が好き、トンガの人々が好きということが大切だ。
 裏方の仕事を楽しくやれる人。これがなければ、あれで応用・・・と、生きること、行動することに機転がきくこと。生活の知恵がある人。(今回の中国で、バケツがないので、ホテルのゴミ箱を会場にもっていくと気づ#いたり、多量のパレット洗いを、ホテルのバスタブでつけておいてから洗おう、バスタブの色がアズキ色だから大丈夫。と考えたように。)
 そうすると、このトンガに教えに行こうツアーのメリットは、今、私の頭の#中で考えているのは、飛行機代をJICAに援助してもらって、ホテルは民宿で安くあげ、絵の具,画用紙は、私が負担しなければならないので、一人五万円くらいの負担で実行できるのではないかと思っている。あとの負担額は私が負う。お金はないけど、熱意と実力がある人ということになる。
 こういう、外国へ絵を教えに行こうツアーを本格的に組織したい。JICAは一年おきに、飛行機代を援助してくれそうなので、一年おきに、外国へキミ子方式を教えに行きましょう。第一回目はトンガ。一回行ってみて、改良して、次の国のことを考えればいいのではないかと思う。

 さっそく、私は英会話を習いにいくことにしました。そこで、日本人の特色を発見。
 クラスメートは、わからないことがあってもなかなか質問をしないのです。先生にもクラスメートにも。先生からの質問に答えるだけなのです。
 アメリカから帰ってきた川合京子はすばらしいおみあげをもってきました。私の友達のカニーさんからです。
 カニーさんは彼女に言ったそうです。
 「同じ質問を少なくとも三回はしなさい。答える側が、より深く考えるためです。」
 さて、キミ子方式を学んでいるみなさん。同じ質問を三回はして下さい。教える側をより深く考えさせるために。講師が「何度同じことを言わせる気?」と怒ったら、それは講師として失格です。

 [第一回・トンガへ絵を教えに行こうツアー]
 会員募集
 【条件】
 ◯英語かトンガ語ができる人。
 ◯キミ子方式を教えたい人。
 ◯96年8月20日~30日に時間の作れる人。
  (向こうの返事により、多少変更の可能性あり)
 ◯「なぜ、トンガに行きたいか」を作文に書く。
  (原稿用紙四百字詰め2枚以上)
 しめきり、11月27日まで。
 問い合わせ:キミコ・プラン・ドウ 松本一郎まで。
 たくさんの人の応募をお待ちしています。
 11月中に書類を書かなければならないので、あわただしいのですが、気持ちの波にのっているので、できるところまでやりたいと思います。
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